2021年2月7日 巻頭言
「私ダニエルは、預言者エレミヤにあった主のことばによって、エルサレムの荒廃の期間が満ちるまでの年数が七十年であることを、文書によって悟った。そこで私は、顔を神である主に向けて断食をし、粗布をまとって灰をかぶり、祈りと哀願をもって主を求めた。」
ダニエル書9章 2,3節
ダニエル書のキーワードの一つは「いと高き神」です。イスラエル人が捕らえ移されたバビロンは、イスラエル人が解放される前に滅亡し、メディア、ペルシャがその座を奪います(5章)。イスラエル人は捕囚の地でも世に翻弄されました。しかし、この世の権力を超えて「いと高き神」が世界の真の統治者であり、主に信頼する者を堅く守ってくださるとダニエル書は教えます。
中央政界から遠くなかったダニエルはバビロンの崩壊を目の当たりにして、主が「いと高き神」であることを一層厳粛に受け止めたことでしょう。それはダニエルをますますみことばと祈りに向かわせ、捕囚が終わる日が近いことを悟らせました(2)。
主のご計画を知ったダニエルはイスラエルのために祈ります。彼は「私の神、私の主」(4)と繰り返し呼びかけます。主を信じる者は、「いと高き神」を「私の神、私の主」と親しく呼べる恵みの関係にあるのです。
その祈りは他者の重荷を担うものでした。「粗布をまとって灰をかぶり、祈り」(3)とは悔い改めの姿です。ダニエルはイスラエルの罪を自分の重荷として担いました。「灰をかぶる」とは新約聖書の観点では「仕える」ということです。「仕える」を意味するギリシャ語「ディアコニア」には、「仕える者が灰をかぶる」という意味が込められています。ダニエルの祈りは主に仕え、他者に仕える祈りでした。そんなダニエルに主は未来の預言を示しました(20~27)。「油注がれた者は断たれ、彼には何も残らない」(26)とは十字架を示します。ダニエルは祈りのうちに主の救いを見ました。
これはダニエルの晩年の出来事でした。彼の祈りは次の世代のためであり、それは確かに未来に繋がりました。私たちもダニエルのように、暗闇の時代のために執り成し、次の時代に繋げる祈りをささげたいと思います。
担任牧師 荻野泰弘
2月7日 礼拝順序
第二礼拝 11時 司会:石田 牧師 奏楽:荻野(し)兄
前 奏
招 詞 マタイの福音書11章28節
会衆賛美 聖歌40
会衆賛美 大いなる方に
主の祈り
交 読 詩篇46篇1~11節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 ダニエル書9章1~9節
説 教 祈るダニエル
荻野泰弘 牧師
会衆賛美 聖歌232
献 金
頌 栄 聖歌376
祝 祷
報告
感謝祈祷 奏楽