2021年7月4日  巻頭言

召天者記念礼拝

主はその母親を見て深くあわれみ、「泣かなくても良い」と言われた。そして近寄って棺に触れられると、担いでいた人たちは立ち止まった。イエスは言われた。「若者よ、あなたに言う。起きなさい。」

ルカの福音書 7章13,14節

 イエス様がナインの町に着くと、ちょうど町から葬列が出てきました。「ある母親の一人息子が、死んで担ぎ出されるところ」でした。
 母親の悲しみはいかばかりだったでしょうか。「担ぎ出される」という言葉からは、亡くなってから時を置かずに運ばれた様子が窺われます。ユダヤでは死体は汚れたものとみなされたので、すぐに町の外に移されました。別れを惜しむ時間も十分に与えられず、しかも、愛する息子の亡骸が汚れたものとみなされて追われるようにして運び出されることに母親はどれほど寂しさや疎外感を感じたでしょう。
 「やもめ」だった彼女は夫に次いで一人息子にも先立たれたことで、経済的にも大きな不安を抱えたでしょう。現代のように福祉制度が整っていない時代です。やもめは厳しい立場でした。
 彼女の置かれた状況は察するに余りあります。誰が慰めの言葉を並べても、簡単に解決されるような状況ではありませんでした。
 そんな彼女の前でイエス様は棺に触れました。それは自分が汚れたものとみられる行為で、ユダヤではあり得ないことでした。しかしイエス様は彼女に望みを与えるために自らを汚れたものとすることも厭いませんでした。
 イエス様は私たちを救い、永遠の命を与えるために十字架に架かり呪われた者となってくださいました。そして死を打ち破り甦られたイエス様は私たちに永遠の命と天の御国への望みを開いてくださいました。
 聖書は私たちに約束しています。すでに天に帰った方々とやがての日に再会できると。やもめが息子と再会したように、私たちも愛する人と主にあって再会できるのです。それがキリスト者が持つ望みです。

主任牧師 荻野 泰弘

7月4日 召天者記念礼拝 順序

第1礼拝 9時  司会:荻野牧師 奏楽:荻野し兄
第2礼拝 11時 司会:荻野牧師 奏楽:美名子姉
 

前  奏
招  詞 ヨハネの福音書6章35節
会衆賛美 いつくしみ深き(1,3節)
会衆賛美 御手の中で(1節)
主の祈り
交  読 詩篇103篇15~22節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 ルカの福音書 7章11~17節
説  教 悲しむ人に寄り添う主
          荻野泰弘 牧師
会衆賛美 聖歌748(1,2節)
献  金 
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報告
感謝祈祷  奏楽