2023年2月5日  巻頭言

ですから、私の子よ、キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい

テモテの手紙第二 2章1節

 主は、この年、私たちに冒頭の聖句を標語として与えてくださいました。
 テモテの手紙第二はパウロの絶筆です。彼はこの手紙を送ってからしばらくあとにローマで殉教をします。皇帝ネロによる大迫害でのことです。パウロだけでなくペテロも殉教しました。それまでもユダヤ教徒による迫害などクリスチャンに対する風当たりの強さはありました。けれども、皇帝による迫害という新たな、そして深刻な危機に教会は直面したのです。
 初代教会を代表する指導者が天に召された事態は、教会と兄弟姉妹をどれだけ動揺させたでしょう。けれども、その死を間近にしてパウロはテモテに語りました。「ですから、私の子よ、キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい」と。
 1章と2章には「苦しみ」という言葉が繰り返されています。それは〝福音による苦しみ〟です。その苦しみを共に担ってほしいと告げています。クリスチャンとは、主の弟子として福音のための苦しみも継承していることを覚えましょう。
 主は私たち信仰者の生涯を祝福されます。一方で、罪の世に対して福音を証しするということは、十字架の道を進んだキリストに倣うことであり、苦しみも伴います。私たちはこれを避けて主の栄光にあずかることはできません。ですから、キリスト・イエスにある恵みを受け取り、力づけられることが必要です。
 私たちが生きる今、そしてこれからの時代は日本社会全体が厳しい冬のような季節を辿ります。昨今の物価の高騰は生活を直撃し、今後も2025年問題、2035年問題と次々に重大な課題に直面します。教会も少子高齢化などが指摘されますが、その前提として社会全体が非常に厳しい状況にあることを理解しなければなりません。今はその中での教会のあり方が問われているのです。かつてのような大成果をあげる時代ではありません。兵士や農夫のような忍耐深さが必要です。でも、労苦した農夫がまず収穫にあずかる(6)との約束も備えられています。次の時代に結ばれる主の実を信じて今を進みましょう。

主任牧師 荻野泰弘

2023年2月5日  聖日礼拝 式次第

第1礼拝 9時  穂谷牧師 荻野し兄
第2礼拝 11時 荻野牧師 髙橋姉

招  詞 詩篇46篇10節
会衆賛美 聖歌64
会衆賛美 神の国と神の義を(2回)
主の祈り
交  読 詩篇147篇1~11節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 テモテへの手紙第二 2章1~10節
説  教 ですから、キリスト・イエスにある恵みによって
           荻野泰弘牧師
会衆賛美 新聖歌298 主に任せよなが身を
献  金
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報  告
後  奏 感謝祈祷