2023年2月26日  巻頭言

さて、イエスは聖霊に満ちてヨルダンから帰られた。そして御霊によって荒野に導かれ、四十日間、悪魔の試みを受けられた。

ルカの福音書 4章1,2節


 教会暦では受難節(レント)に入りました。イエス様の十字架を記念する季節です。「受難節」は「四旬節」とも言われます。「旬」は「十」の意味で、四旬節とは40日ということです。受難節(レント)はイースターの前の日曜日を除いた40日がその期間です。
 「40」というのは聖書では象徴的な数字です。出エジプトの荒野の40年、モーセがシナイ山で十戒を受け取った40日、ノアの洪水の40日、そしてイエス様が公に伝道を開始する前に過ごした荒野40日。聖書で40という数字は準備や悔い改めの期間に関連しています。伝統的には、四旬節の最初の日曜日には礼拝でイエス様の荒野の 40日の箇所が朗読されます。
 そのようなことを踏まえて、イエス様の荒野の40日について思い巡らしましょう。
 「荒野」とは緑のない所です。水場もなければ建物もなく、日を遮る木々もありません。風が吹いても、雨が降っても、照りつける日差しさえ遮るものがないのが「荒野」です。イエス様はそこで40日過ごされました。それは私たち人間の苦難と罪の誘惑にご自身をさらす時であり、同時に父なる神と自分と向き合う時でした。ですから、私たちが受難節の40日を過ごすのは、そんなイエス様を想う時であり、神の前に自分自身と向き合うためです。父なる神の前に立ち、イエス様の十字架を想うことは自分自身と向き合うことです。なぜなら、十字架は私たちの罪のためだからです。この世の何物でなく、イエス様ご自身が私を生かしてくださっていることを再確認する時です。
 40日を過ごす上で大切なのはみことばを思い巡らすことです。悪魔の誘惑を受けたイエス様はみことばによってそれを退けました。生ける神のことばは今も私たち一人ひとりに語られ、私たちに気づきを与え、励まし、支え、導きます。みことばの慰めがあるからこそ、私たちは罪深い自分自身と向き合えるのです。
 荒野の40日を越えたイエス様は福音を人々に告げ知らせる公生涯へと進みます。このことから、キリストを本当に証しできる人は、主との深い交わりの中で十字架を知り、その恵みを体験した人であると分かります。受難節の季節、時を見つけて主の前に静まることを大切にしましょう。

 主任牧師 荻野 泰弘

2023年2月26日  聖日礼拝 式次第

第1礼拝 9時  荻野牧師 荻野し兄
第2礼拝 11時 荻野牧師 髙橋姉

招  詞 詩篇46篇10節
会衆賛美 聖歌26(1,2,3)
会衆賛美 イエスの血潮で(1回)
主の祈り
交  読 詩篇66篇1~20節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 ルカの福音書 4章1~13節
説  教 荒野の四十日
           荻野泰弘牧師
会衆賛美 聖歌111
献  金
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報  告
後  奏 感謝祈祷