2023年11月5日 巻頭言
「もし彼らが思っていのたが、出て来た故郷だったなら、帰る機会はあったでしょう。しかし実際には。彼らが憧れていたのは、もっと良い故郷、すなわち天の故郷でした。ですから神は、彼らの神と呼ばれることを恥となさいませんでした。神が彼らのために都を用意されたのです。」
へブル人への手紙 11章15,16節
あと一か月でアドベントを迎えます。 アドベントから1年のサイクルが始まる教会暦では、アドベントの前は1年の締めくくりの時期です。その教会暦では、前の半年はクリスマス、イースターがあるためイエス様の生涯を扱い、ペンテコステ以降の半年では終末に向かう教会の働きに目を向けるように構成されています。ですから、教会暦の締めくくりの期間は、礼拝説教では終末・再臨について目を向ける時です。
ヘブル人の手紙は、困難な状況に身を置いていたイスラエル人を励ますために書かれたと言われます。その中で、著者は信仰の父アブラハムの生涯を示しながら天の故郷について述べます。
アブラハムの生涯も波乱に満ちていました。高齢になってから神様に召されて生まれ故郷を旅立ち、この地を与えると神様が約束してくださったにも関わらず天幕生活を続けて旅人・寄留者として過ごしました。その間、家庭にも社会的にも様々な問題を抱えました。創世記が記すアブラハムは、悩みと葛藤に満ち、時に人間の浅知恵で立ち回って失敗をする姿です。それでも彼は、後戻りすることなく神の約束を握って進みました。そんな姿をヘブル書の著者は、「彼らが憧れていたのは、もっと良い故郷、すなわち天の故郷でした」と解説します。
逆を言えば、アブラハムは神様の約束を待ち望んだからこそ、この世の荒波に屈することなく進んだということです。神の祝福・天の都という希望は、アブラハムにとって真っ暗な海を行く船に行く先を示す輝く灯台のような存在だったでしょう。光は、闇が深まるほどにその存在を明らかにし、暗闇を行く私たちを助けて励まします。
今、時代は混沌としています。だからこそ、キリスト者に与えられている永遠のいのちの望みとその恵みをしっかりと見つめて進んでいきたいと思います。
主任牧師 荻野 泰弘
2023年11月5日 聖日礼拝式次第
第1礼拝 9時 荻野牧師 荻野し兄
第2礼拝 11時 吉田潔兄 髙橋美姉
前 奏
招 詞 イザヤ書60章2節
会衆賛美 29
会衆賛美 御手の中で(歌詞は4面)
主の祈り
交 読 詩篇62篇1~8節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 へブル人への手紙 11章8~16節
説 教 天の故郷にあこがれて
荻野泰弘牧師
聖 餐(第2礼拝)
会衆賛美 聖歌513
献 金
頌 栄 聖歌376
祝 祷
報告
感謝祈祷 奏楽
※第1礼拝は、礼拝後に聖餐式