2024年6月23日  巻頭言

「神はそのただ中におられ、その都は揺るがない。」

詩篇46篇 5節

 今年は蒲田シオン教会創立九〇周年を記念する年であり、教会総会も越えて七月には記念の「特別礼拝・講演会」がもたれます。
教会全体が信仰の再献身をもって新たな活動に備えねばと、僭越ながら勝手にそんな思いを巡らせていました。そんな時に冒頭のみことばに行き当たりました。
 四六篇の背景は第二列王記十八~十九章、第二歴代誌三十二章、イザヤ書三十七章に記されています。ユダのヒゼキヤ王の時、アッスリヤの軍勢が攻め寄せて国は存亡の危機にありました。王は預言者イザヤに祈りを要請し、自らも神殿に詣でて祈り、神は祈りに答えてユダに大勝利をもたらしました。それが四六篇です。その中心聖句が「神はそのただ中におられ、その都は揺るがない」という確信に満ちた詩歌です。
 私はこの詩篇の資料を調べていた時、ある責任ある立場にあられる敬愛する器の説教の要旨を見つけました。やはり中心聖句を五節として、その前半を『自然界の擾乱』とし、後半を『人間世界における政治的な動乱と(神への)反逆の姿』と捉えて、そのいずれに対しても、全統治者、支配者なる神が、平静と平和をもたらされたと。
 私たちは今も同じ『混乱』の中に生きております。この詩篇は宗教改革者ルターが困難な改革に直面して、『神の臨在なくして果たし得ないことに霊の目が開かれ、彼自身の力の源泉となった』愛唱歌と言われています。困難な状況を前に、私共も『御霊の助けによって、ルターの見た信仰の事実を見抜かせて頂きたい』と。真に的を射た深い洞察力を見ます。
 更にその器は、『将来いかなる問題があるか。ただ神はその一切の責任を持つお方です。へりくだって「権力によらず、能力によらず、わが霊によって」と言われたように、私どもの熱心、努力等によらず、神を私共の群れの中心に、また個々の心と生活の中心に迎え、神ご自身が今後の課題に対処してくださるよう願います』。
 「神はそのただ中におられ、その都は揺るがない」。「揺るがない」ための条件は「ただ中におられる」という新約的には主イエスの贖いによる神との交わり・一体です。献身と信仰をもって、臨在と同行くださる主に確信を置きたい。

田中 英 師

2024年6月23日  聖日礼拝式次第

第1礼拝 9時 荻野牧師  
第2礼拝 11時 戸梶 姉  髙橋美姉

前  奏
招  詞 詩篇32篇8節
会衆賛美 聖歌628 救い主イエスと
会衆賛美 鹿のように
主の祈り 
交  読 詩篇107篇1~9節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 詩篇46篇1~11節
説  教 神そのただ中におられる
            田中 英 師
会衆賛美 聖歌202 み神は城なり
献  金
頌  栄 聖歌376 父御子御霊の
祝  祷
報告
  感謝祈祷  奏楽