2020年8月2日 巻頭言

アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリストの系図

マタイの福音書 1章1節

 聖書を初めて読む人にとって、マタイの福音書のイエスの系図は無味乾燥で退屈なカタカナの連続。これは、読む人の気持ちを削いでしまうかもしれません。しかし、このなかに新約聖書理解の前提となる旧約聖書の大切なポイントがちりばめられているのです。新約聖書理解には、旧約聖書の初歩的知識が欠かせません。ですから、今日はまず、この系図の意味を考えてみたいと思います。
 第一にこの系図は、イエスが救い主であること、(メシア=キリスト)であることを示すものです。言い換えれば、旧約聖書の預言の成就なのです。旧約で預言された救い主(メシア)は、このイエス・キリストであるとの宣言なのです。
 第二にこの系図は、イエスが真の神であると同時に、真に人である、という意味があるのです。イエスとは、当時一般に用いられていた人の名前です。「アブラハムの子、ダビデの子」といわれているのは、人間であるという意味です。人として人間の世界に入ってこられたのがイエスです。マタイは、イエスが罪人の救い主として人間の世界に入ってこられたことをこの系図で示しているのです。キリスト教の中心のテーマは、イエス・キリストがまことの神であり、且つまことの人であるからこそ、救い主なのです。
 第三に系図には、思いがけない始まりと広がりがあります。この系図には、この中に入っていて良いのだろうか?と思われるような人物が記されています。それは、思いがけない人も、神の祝福の流れに入れられていることの証です。まさに、神の驚くべき恵みであるといえましょう。「信仰」という条件を果たすならば、みな、神の祝福の系図、信仰の系図に加えられているのです。そして、私達もこの系図に加えられているのです。

主任牧師  石田敏則

8月2日 聖日礼拝 順序

前  奏
招  詞 イザヤ書60章2節
「見よ、闇が地をおおっている。暗黒が諸国の民を。しかし、あなたの上には主が輝き、主の栄光があなたの上に現れる。」アーメン
 
会衆賛美 聖歌35
会衆賛美 御手の中で
主の祈り
交  読 詩篇47篇1~9節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 マタイの福音書
1章1~11節
説  教 イエス・キリストの系図
           石田敏則牧師
会衆賛美 聖歌630
献  金
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報告
感謝祈祷  奏楽