2021年6月20日  巻頭言

まず神の国と神の義を求めなさい。
そうすれば、これらのものはすべて、それに加えて与えられます。

マタイの福音書 6章33節

 6章の前半でイエス様は3つの行為「施し」「祈り」「断食」を扱います。これらは、当時のユダヤ人の宗教生活において重視されていたことで、特にパリサイ人はこれを実行することを強く説き、自らもその実践を努力していました。彼らがそれを行った理由は、自分がどれほど信仰深い者であるかを人々に知らしめ、人の評価を得るためで、純粋に実行しようという敬虔さや誠実さは欠けていました。
 そうした状況を踏まえて、イエス様は「人に見せるために人前で善行をしないように気をつけなさい」(1節)と仰いました。
 イエス様がここで人々に問うたのは信仰者の動機です。あなたは何を目的として信仰生活を送っているのか、というのです。あなたの価値観がどこにあるのか、という問い掛けでもあります。イエス様は、キリスト者の価値観はこの世(人の評価やこの世の富)を重んじるのではなく、神を第一とし神の国を求めることだと語ります。
 この世のものは失われやすく、いつか必ず消え去ります。どんなにたくさん持っていても、どんなに大事にしても、どんなに愛しても、この世のものを永遠に持ち続けることは誰もできません。それに対して、天の御国と神ご自身は永遠に失われないから、そこにあなたの望みを置き、神の国と神の義を第一としなさいとイエス様は仰るのです。
 この世の生活を無視して浮世離れした生き方を奨めているのではありません。神を第一として世を生きるのか、神よりも世が第一なのか、あなたはどちらを向いているのか何を重んじているのかと問われるのです。
 パリサイ人が引き合いに出されているのは、表向きは神を第一とするというフリをしているが、実は心の中では世が第一になってしまうことへの警戒です。それは神を自分に都合良く利用することで、主はそれを「偽善」と言いました。キリスト者が陥りやすい危険であり、他人事としてはいけないことを肝に銘じたいものです。

主任牧師  荻野泰弘

6月20日 礼拝順序

第一礼拝  9時 司会:穂谷 牧師   奏楽:荻野(し)兄

前  奏
招  詞 イザヤ書49章13節
会衆賛美 聖歌33
会衆賛美 神の国と神の義を(2回)
主の祈り
交  読 詩篇37篇1~9節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 マタイの福音書 6章25~34節
説  教 キリスト者の価値観
          荻野泰弘 牧師
会衆賛美 聖歌577
献  金 
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報告
感謝祈祷  奏楽