2021年8月1日 巻頭言
「朝になって、見ると、それはレアであった。それで彼はラバンに言った。『あなたは私に何ということをしたのですか。私はラケルのために、あなたに仕えたのではありませんか。なぜ、私をだましたのですか。』」
創世記 29章25節
旧約聖書において神様は、「アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神」と呼ばれている箇所があります。アブラハムは信仰の父、イサクは従順な人というイメージがありますが、どうも私はヤコブを好めず、狡猾な人という印象を持ってしまいます。
ヤコブは生まれる時に兄エサウのかかと《ヘブル語・アーケーブ》をつかんでいたこ
とから命名されましたが語源的にはアーカブ「押しの除ける」から派生した名前です。
長子の権利を奪ったヤコブは命かながら叔父ラバンの元へ逃げましたが、このラバンも狡猾な人物で、ヤコブが有能な若者であるのを見抜いて、この甥を最大限に利用したのでした。その一例が今日の聖書箇所に書かれている妹娘を嫁がせると言いつつ、姉娘を与えた出来事です。
ヤコブは妹娘ラケルとの結婚のために七年間働きました。そしてめでたく結婚式の宴会が持たれたのですが、翌朝起きてみると横にいたのはラケルではなく、姉レアだったのでした。これはヤコブにとって信じられない出来事でした。彼はすぐにラバンのところに行き、こう言いました。
「あなたは私に何ということをしたのですか!」と。
原文では《マー・ゾッド・アスィータ》と書かれています。
これは創世記3章13節で、神様が禁断の実を食べてしまったエバに対して憤慨して言われたことばと一緒です。 全能なる神様が人間の反逆(罪)に嘆いて言われたことばが、兄エサウを騙し、長子の権利を奪ったヤコブの口から出てきたのでした。
ラバンは涼しい顔で、それがこの地方のしきたりで、長女を差し置いて、次女を嫁が
せることはしないと答えました。そしてこの婚礼が終わったあと、ラケルとともに女奴隷ビルハを与えると言ったのでした。でもこれには条件があり、もう7年間ラバンのもとで働くことになったのでした。・・その後、ヤコブは家畜たちのために6年働きます。通算20年、ヤコブはラバンの下で働きました。
ヤコブの苦節20年、それは彼が神の器とつくられるための大切な期間だったのです。
担任牧師 穂谷 弘二
8月1日 礼拝順序
第1礼拝 9時 司会:荻野 牧師 奏楽:荻野し 兄
第2礼拝 11時 司会:荻野 牧師 奏楽:美名子 姉
前 奏
招 詞 マタイの福音書11章28節
会衆賛美 聖歌496(1,2節)
会衆賛美 イエスの血潮で(1回)
主の祈り
交 読 詩篇37篇1~9節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 創世記29章21~30節
説 教 だまされるヤコブ
穂谷弘二牧師
会衆賛美 聖歌294(1,2節)
献 金
頌 栄 聖歌376
祝 祷
報告
感謝祈祷 奏楽