2021年10月10日  巻頭言

耳のある者は聞きなさい。

マタイの福音書 13章9節

 マタイの福音書13章のテーマは「天の御国の奥義」(11)です。イエス様はそれを示すために「たとえ」で語られました。「奥義」はある英語訳聖書では「ミステリー」です。「たとえ」には「比喩」と共に「謎」という意味があります。「奥義」「たとえ」いずれも謎めいたものです。
 イエス様は人々にたとえを語ったあと、その解き明かしは弟子だけに教えました(10~23、36~52)。解き明かしを聞かなかった人々は、推理小説の結末が知らされなかったようなもやもやした気持ちを抱いたかもしれません。
 なぜ、イエス様はたとえで語り、解き明かしを聞かせる人は限ったのでしょうか?
 それは、聞く耳があるかどうかが問われている、ということです。
 イエス様は最初に種まきのたとえを語りました。土壌にたとえられたのは私たちで、種はみことばであり福音です。みことばを受け取った私たちが、それをどのように育むかが大切です。蒔かれた種には大きく成長するだけの命があります。からし種とパン種のたとえがそれを示しています(31~33)。みことばには命があるのでおのずと成長します。しかし、受け取った土壌が整っていなければ、成長は妨げられるのです。 ですから私たちには、自分を振り返り顧みながら自分と向き合うことが求められます。初めから良い地はなかなかありません。 自らを良い地へと耕すのです。
 それはイエス様に「近寄る」(10)ことでもあります。弟子たちが天の御国の奥義を知ることができたのは、自分たちを招かれたイエス様を受け入れ、自らもイエス様に近づき、共に生活したからです。天の御国はイエス様がみことばと行動をもって示され、まさにイエス様ご自身が天の御国の奥義です。だから近づくことが必要なのです。
 13章には興味深い対比があります。家の外と中です。イエス様は家の外(1)でたとえ話を群衆に語りました。そして家の中で弟子たちに解き明かしをしました(36)。家の中とは教会です。イエス様を信じてキリストの体である教会に繋がるとき、私たちはイエス様を知り、聖霊が天の御国の奥義を悟らせてくださるのです。

主任牧師 荻野 泰弘

10月10日  聖日礼拝 順序

第1礼拝 9時  穂谷牧師 荻野し兄
第2礼拝 11時 荻野牧師 美名子姉

前  奏
招  詞 イザヤ書49章13節
会衆賛美 聖歌33(1,2節)
会衆賛美 神の国と神の義を(1回)
主の祈り
交  読 詩篇19篇7~14節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 マタイの福音書 13章1~17節
説  教 耳のある者は聞きなさい
          荻野泰弘牧師
会衆賛美 聖歌407(1,2節)
献  金 
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報  告
感謝祈祷  奏楽