2022年10月16日  巻頭言

わたしは、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出したあなたの神、主である。

出エジプト記 20章2節

 

 十戒を授ける前に主は「わたしは、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出したあなたの神、主である」(2)と告げます。主はご自身の愛と救いの御業を思い返すようにとイスラエルに語りかけます。それは神の恵みにイスラエルがどのように応答するかを問うておられるということです。
 十戒・律法に従うとは、主への感謝の応答であることが肝要です。感謝の応答には主と人間の信頼関係があるからです。信頼関係がなければ、律法に生きることが単に規則を守る重荷となり律法主義となります。それは人を生かしません。
 十戒は人を生かし命を育むために与えられました。人間に命を与えた主は、私たちが生きることを望んでおられます。
 罪深い人間が自分たちの基準で行動すればお互いの主張が対立し命を奪い合います。世の秩序、法律、ルールが安全な社会生活を営む上で必要なように、主は私たちが互いの命を尊重し育むために律法を授けました。その要が十戒です。
 「父と母を敬え」とは、自分の命のルーツを重んじることです。「殺してはならない」とは、他者の命を奪うことを戒め、他者を尊重するようにと教えます。「姦淫してはならない」「盗んではならない」「偽りの証言をしてはならない」「隣人の家を欲してはならない」とは他者を侵害することを戒めます。対人関係には適切な距離、バウンダリー(境界線)が必要であることが分かります。
 罪の世界はハラスメントや虐待など他者の尊厳を踏みにじる行為が横行しています。主がどれほど心を痛め、神の民に命の尊さを証しするものとなってほしいと望んでおられるかを思います。
 十戒はまず先に神との関係についての教えが4項目あり、続いて人間関係について6項目あります。なぜ人間関係に関する項目が多いのでしょう。私たちの関係は神が中心です。そしてその信仰は対人関係に現されてこそということでしょう。


主任牧師 荻野 泰弘

2022年10月16日  聖日礼拝 式次第

第1礼拝 9時  穂谷牧師  荻野し兄
第2礼拝 11時  荻野牧師  髙橋(美)姉

招  詞 ハバクク書2章20節
会衆賛美 聖歌495(1,2節)
会衆賛美 御手の中で(1節)
主の祈り
交  読 詩篇119篇9~16節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 出エジプト記 19章1~6節、17章1~17節
説  教 共同体に与えられた律法②
           荻野泰弘牧師
会衆賛美 聖歌575(1~3節)
献  金
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報  告
後  奏 感謝祈祷