2023年2月12日  巻頭言

いちじくの木は花を咲かせず、ぶどうの木には実りがなく、オリーブの木も実がなく、畑は食物を生み出さない。羊は囲いから絶え、牛は牛舎にいなくなる。しかし、私は主にあって喜び踊り、わが救いの神にあって楽しもう。私の主、神は、私の力。私の足を雌鹿のようにし、私に高い所を歩ませる。

ハバクク書 3章17~19節

 ハバククは南ユダ王国で活動した預言者で、それは国が滅亡へと向かう時代でした。
 ハバククが活動を開始したのは少しさかのぼってヨシヤ王の時代です。ヨシヤ王は風紀が乱れた国を立て直し、宗教改革を実行しました。主のことばによって人々を導き、国内には主を崇める空気が満ちました。けれども、彼の死後、息子、孫たちの時代には一転して主への背信が極まります。そして、南ユダ王国は滅ぼされて バビロン捕囚へと続きます。
 ハバククは非常につらい時代を過ごしたと言えます。ヨシヤ王の時代には人々が主のことばに耳を傾け、ハバククも預言者として充実した日々を送ったことでしょう。しかし、その後は人々の心が主から離れていくのを目の当たりにし、預言者でありながらそれを食い止められない自分の不甲斐なさに苦悩したと想像します。
 ハバククという名前の意味は定かではありません。一説には「手をこまねく。腕組みをする」の意味と言われます。まさにハバククは国が滅びに向かう中で、手をこまねいてそれを傍観するしかできず苦しみました。1章のハバククの嘆きの背後には彼の葛藤があると察せられます。
 そんなハバククに主は語ります。「しかし、正しい人はその信仰によって生きる」と(二4)。この箇所の「信仰」とは「真実」の意味で、「正しい人とは主の真実によって生きる」と理解できます。
 主は、ハバククにユダ王国の滅亡を預言する一方で、彼らがやがて救われることも告げます(三13)。みことばのうちに示された主の救いの計画を受け取ったとき、ハバククは信仰に立ちます。衰退する国情を目の当たりにしながらも、冒頭のみことば(三17~19)の通り希望を告白します。
 ハバククの次の時代に登場するのはダニエルです。遠く異国に捕らえ移されましたが、信仰は失われることなく彼らに継承されます。ハバククが信頼した主の真実によって、信仰は確かに次の時代に受け継がれたのです。

主任牧師 荻野泰弘

2023年2月12日  聖日礼拝 式次第

第1礼拝 9時  穂谷牧師 荻野し兄
第2礼拝 11時 荻野牧師 髙橋姉

招  詞 詩篇46篇10節
会衆賛美 聖歌28
会衆賛美 御手の中で
主の祈り
交  読 詩篇103篇1~18節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 ハバクク書 2章1~4節、3章17~19節
説  教 しかし、正しい人は
その信仰によって生きる
           荻野泰弘牧師
会衆賛美 聖歌523
献  金
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報  告
後奏 感謝祈祷