2023年10月15日  巻頭言

「耳のある者は聞きなさい。」

マタイの福音書 13章9節

「良い地に蒔かれたものとは、みことばを聞いて悟る人のことです。本当に実を結び、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍の実を結びます。」

マタイの福音書 13章23節

 多くの人によく知られた「種まきのたとえばなし」です。分かりやすそうですが、その真意についてはいくつかの説があり、実は難解で、奥深いたとえばなしです。
 ある註解書は、このたとえばなしは、マタイ十章から続く宣教についての教えの1つで弟子たちへの励ましだ、といいます。
 4つの種のうち3つが芽を出すとは、福音を聞いて多くの人が受け入れる。しかし、そのうち2つが実を結ばないとは信仰を失うということ。福音を聞いて飛びつく人は多いが、失う人も多い。しかし、信仰を育んだ人々は必ず豊かな実を結ぶ。だから、容易ではないけれど希望をもって伝道しなさいというわけです。
 また、別の解説では、これは〝聞く人の姿勢〟〝聞き方〟についての問いかけだといいます。鍵は「耳のある者は聞きなさい」(9)です。「良い地」とは「みことばを聞いて悟る人」(23)とイエス様は解説します。
〝あなたは聖書をどのように聞くか?〟と信仰者に問うているのです。私たちはみことばを聞き福音に歩めるようにと願います。しかし、それが自己満足に陥ることがあるのです。マタイ七21「わたしに向かって『主よ、主よ』と言う者がみな天の御国に入るのではなく、天におられるわたしの父のみこころを行う者が入るのです」と主は仰いました。人間とは、時に、自分が何をしているかが分からない弱さや限界があります。だから、4つの種のたとえを自分の心と重ね合わせ、自分の心がどのような状態であるかを自問し、神の導きと助けを求めることが必要だというのです。自分と向き合うということです。神の導きのもとに自らの心を耕すとき、私たちは実を結ぶ良い地として整えられるのです。そのような人の人生に、福音が実をならせてくださいます。

 主任牧師 荻野 泰弘

2023年10月15日 聖日礼拝式次第

第1礼拝 9時 荻野牧師 荻野し兄
第2礼拝 11時 荻野と兄 髙橋美姉 

前  奏
招  詞 詩篇32篇8節
会衆賛美 496
会衆賛美 イエスの血潮で(4面)
主の祈り
交  読 詩篇38篇17~22節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 マタイの福音書 13章18~23節
説  教 良い地
            荻野泰弘牧師
聖  餐(第2礼拝)
会衆賛美 聖歌586
献  金 
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報告
  感謝祈祷  奏楽
※第1礼拝は、礼拝後に聖餐式を行います