2023年11月19日  巻頭言

今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶に寝ているみどりごを見つけます。それが、あなたがたのためのしるしです。

ルカの福音書 2章11,12節

 聖歌72「静かに眠れる」(讃美歌「ああベツレヘムよ」)を作詞したフィリップス・ブルックスは19世紀アメリカの人。日本では幕末から明治の時代で、アメリカ聖公会の牧師として活動しました。説教者として非常に用いられ、奇跡の人ヘレン・ケラーに福音を伝えた人です。
 彼はある年、イスラエル滞在中にクリスマスを過ごしました。イヴにはベツレヘムを訪ね、「降誕教会」でクリスマス礼拝に出席し大いに感動したそうです。彼は、イエス様が降誕した時に思いを馳せ、その感動がのちに「静かに眠れる」を生みました。
 今でこそ人々が群がってキリストの降誕を祝うベツレヘムですが、イエス様がお生まれになったその日には、誰もその出来事に気づきませんでした。まさにベツレヘムは静かに眠っていたのです。ましてイエス様が生まれたのは家畜小屋。寝かされたのは飼い葉桶。誰が救い主がそこに宿ると思うでしょうか。しかし、救い主は王宮ではなく薄汚い飼い葉桶に降ったのです。
 その家畜小屋は、家畜の避難用に造られた岩窟(岩の洞穴)で、飼い葉桶は岩の壁を彫った冷たい石造り。この家畜小屋と飼い葉桶は、人の心の象徴といわれます。冷たい岩の飼い葉桶は、身重の女性と生まれたばかりの乳飲み子を顧みない人々の冷たい心。岩の洞穴は空虚な人の心。しかし救い主キリストは、そのような罪に沈む人の心に宿り救いをもたらすとのメッセージです。
 全世界のすべての人に与えられたこのメッセージは、人が受け取らなければその人のものになりません。それが信仰です。
 あの夜、唯一、羊飼いたちはこの恵みを自分のものとしました。御使いが告げたことを自分のこととして受け止めたからです。もしも彼らが、そんなところに救い主がいるものか、と疑ったならば神の恵みを受け取ることはできませんでした。人が思いもよらないところ、たとえば、うれしくない出来事や思う通りにならない現実にこそ、神の恵みと助けは注がれていると聖書は示しています。このことを受け取りましょう

 主任牧師 荻野 泰弘

2023年11月19日 聖日礼拝式次第

第1礼拝 9時 中西け兄 荻野し兄
第2礼拝 11時 荻野牧師 髙橋美姉
 
前  奏
招  詞 イザヤ書60章2節
会衆賛美 28
【第1礼拝】会衆賛美 大いなる方に (歌詞は4面)
主の祈り(口語訳・4面掲載)
交  読 詩篇91篇1~9節
礼拝祈祷
使徒信条(口語訳・4面掲載)
 【第2礼拝】会衆賛美 主のみことば待ち望む
 【第2礼拝】会衆賛美 大いなる方に
 聖書朗読 ルカの福音書 2章1~16節
説 教 こんなところに恵みがあった
荻野泰弘牧師
会衆賛美 聖歌72
献  金 
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報告・児童祝福の祈り
  感謝祈祷  奏楽