2024年6月9日  巻頭言

「私はあなたのはしためルツです。あなたの覆いを、あなたのはしための上に広げてください。あなたは買い戻しの権利のある親類です。」

ルツ記 3章9節

 ルツ記は興味深いことに、創造主である神からルツやナオミへの語りかけがありません。ルツやナオミ、ボアズの祈る姿もなく、書名となったルツは、異邦人(モアブ人)の女性です。しかし、彼女はダビデの曽祖母となり、その家系は神の御子イエスへとつながります。その祝福の鍵は、ルツやナオミ、ボアズの直接的な信仰の営みが記されずとも、彼らの言行はみな、神の御前に憩い、主に我が身を委ね自然体に生きていたからです。具体的には、次にあげる三者三様の特徴に明示されています。

ヘセド(恵み) ナオミの信仰
 ナオミの信仰の核心、それは恵みの神をいかなる時にも絶対的に信頼することでした。主がいかなる時にも最善以上を為してくださるという信仰があればこそ、自分よりもルツの幸せを第一に考えたのです(1・8、3・1)。その誠実な信仰は、ルツにも大きな感化を与えたのでした。

カナフ(御翼に覆われ) ルツの行動
 ルツは「よそ者」(2・10)ですが、「あなたの神は私の神」(1・16)という確かな信仰からベツレヘムへ来ました。そこには、全能の主に身を委ねる献身が根底にあるのです。ナオミが彼女に勧めた行動は一見、非常識なものです。しかし、主の「翼の下に身を避け」たルツを(2・12)、信仰者であるボアズもまた主の恵みで「覆い」(3・9)、救ってくれると信じて行動したのです。

ゴーエール(買戻しの権利)ボアズの決断
 「買い戻し」(3・9)とは、過去に困窮して土地や自分を売っても、親戚がその代価を支払うことで、買い戻される制度です。別の聖書では「買い戻し」を「贖い」、「贖いの権利」を「贖い手」と訳しています。そして、ボアズの母はラハブ(マタイ1・5)であり、信仰による贖いを経験しました(へブル11・15)。何より、私たちもキリストの十字架の贖いを体験したのです(ローマ3・23~24)。

沼津シオン・キリスト教会主任牧師 荻野 倍弘

2024年6月9日  聖日礼拝式次第

第1礼拝 9時 中西け兄  荻野し兄
第2礼拝 11時 武山 兄  榊原 姉

前  奏
招  詞 詩篇32篇8節
会衆賛美 聖歌501 たたえよ救い主
会衆賛美 鹿のように(2回)
主の祈り 
交  読 詩篇91篇1~16節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 ルツ記3章1~13節
説  教 信仰とはリラックス ~自然体に生きる
                 荻野倍弘 牧師
会衆賛美 聖歌514 主と主のことばに
献  金
頌  栄 聖歌376 父御子御霊の
祝  祷
報告
  感謝祈祷  奏楽