イエスは四十日間荒野にいて、サタンの試みを受けられた。イエスは野の獣とともにおられ、御使いたちが仕えていた。

マルコの福音書　１章13節

　今年のイースターは４月４日です。イースターに向けた準備の期間として教会暦ではレント（受難節）が定められており、聖日を除いた40日間がそれにあたります。
　「40」は聖書では特別な数字です。出エジプトにおいてイスラエルの民は40年間荒野を旅しました。モーセがシナイ山に留まった日数やエリヤがホレブ山を目指して歩いた日数は40日でした。そして、イエス様が公生涯に入るにあたり荒野で過ごした日数も40日でした（13）。レントの期間はイエス様が荒野で過ごした日数にちなんで40日と定められたそうです。
　イエス様が荒野で過ごした40日間とは、一つにはイスラエルが荒野を旅した40年の旅路の踏み直しと言われます。かつてイスラエルはモーセに率いられてエジプトを脱出したものの、神に背を向けた故に荒野を40年間旅することになりました。荒野の40年とは、神の救いを受け取らなかった人間の失敗の歴史です。
　イエス様は荒野でサタンの試みを受けても誘惑に陥らず、それに勝利してかつての人間の失敗を取り返しました。「野の獣とともにおられ」とは、メシヤ支配における究極的な平和の世界を示します（イザヤ11章）。イエス様の荒野の40日間は、聖書が約束する新しい世界、すべての罪と悪が滅ぼされた救いの完成も示唆しています。そしてそれはイエス様の十字架と復活によって確かなものとされました。
　この世は荒野のような誘惑と試練に満ちています。そこで人間は罪を犯します。或いは経験したくないつらい出来事に遭います。人間は過去を変えることはできず、罪やつらい現実は人間につきまといます。しかし、イエス様は十字架でそのすべてを背負い、復活によって希望を示してくださいました。私たちはその救いの恵みを受け取るようにと招かれているのです。私たちの生涯は神の恵みを受け取り、それに応答する日々です。神が、神の栄光を現し福音を告げる道を私たちに備えておられます。

担任牧師　　荻野泰弘

3月14日　礼拝順序

第一礼拝　　９時　司会：山口（光）兄 　 奏楽：荻野（し）兄
第二礼拝　１１時　司会：石田　牧師　　　奏楽：榊原　姉

前　　奏
招　　詞　イザヤ書43章１節
会衆賛美　聖歌３９２
会衆賛美　鹿のように
主の祈り
交　　読　イザヤ書53章１～６節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読　マルコの福音書　１章９～18節
説　　教　荒野の四十日間
　　　　　　　　　　荻野泰弘牧師
会衆賛美　聖歌１１１
献　　金
頌　　栄　聖歌３７６
祝　　祷
報告
感謝祈祷　　奏楽