2020年3月1日 巻頭言
「聖徒にひとたび伝えられた信仰のために戦うよう。」
ユダの手紙 3節
ユダの手紙は新しく興り始めた異端に対する警告の書です。教会にはいつも偽物が入り込んで来ようと、隙をうかがっています。パウロはあらかじめ「凶暴な狼があなたがたの中に入り込んできて、容赦なく群れを荒らしまわります」と警告しています。 この二〇〇〇年の間、教会は様々な偽物に攻撃され続けてきたのです。
ユダが明らかにしているその偽物とは、第一に不信仰です。神がイスラエルの民をエジプトから解放してくださったにも関わらず、彼らは不信仰のゆえに約束の地に入れなかったのです。不信仰は神に立てられた指導者に逆らい、困難があると不平不満を言い、前進を拒むものです。
第二の特徴は高慢です。御使いは高ぶって神と同じになろうとして暗闇に突き落とされました。高慢は自分自身を高く評価し、自分の考えが絶対だと信じ、他の人々が自分に従うことを望みます。しかし、私たちは神の恵みがなければ自らを保つ事のできない存在であることを知らなければなりません。ただ主の憐れみにすがるほかない一人ひとりなのです。
第三の特徴は、肉の欲と呼ばれるものです。性的な堕落を含むあらゆる不義と悪は、神を神と認めない不従順の子らの特徴です。しかし、真の信仰者は「最も聖なる信仰の上に自分自身を築き上げ」るのです。この「聖なる」とは「分けられる」という意味です。不従順の子らとは区別されたものとして神の御心を知り、信仰の戦いを戦い抜くために分けられたのです。
私たちが信仰を守るために必要なことはキリストの教えを正しく守り、偽りの教えに惑わされず、ただキリストの教えを実践することです。私たちの戦いは血肉の戦いではなく霊的な戦いなのです。
主任牧師 石田敏則