「イスラエルの家よ、このことばを聞け。私はあなたがたについて哀歌を歌う。」

アモス書　5章1節

　アモスは専門的な預言者ではなく、テコア出身の牧者でイチジク桑の木を栽培していた農夫でした。神様は彼を召しだし、北イスラエルに対する預言者として用いたのです。神はご自分の主権によって働き人を選び出されるのです。
　現代人は神を「裁きの神」「義の神」と考えることを好まないと言われています。　私たちも、人が受け入れやすい「神の愛」ばかりを強調してしまう傾向性があります。勿論、神は愛のお方です。しかし福音を委ねられた者は「神の義」「神の裁き」を語らなければならないのです。
　アモスは、人が喜んでは聞いてくれない「神の義」「神の裁き」を大胆に語りました。アモスが「神の義」を伝えたのは、第一に語らざるを得ない時だったからです。人の心は、すさみ、すぐにでも神の裁きが下される状況下だったのです。
　第二はアモスの召命の確かさにありました。自分に与えられた神からの使命が何であるのかを知る時、人は大胆に行動できます。使命に従って行動する者を、神は訓練して下さるのです。
　第三に神の民と言われている者たちの礼拝の姿がありました。神は、彼らの礼拝を憎むとまで言っています。神の民のささげる礼拝、それは出席するすべての者が神を喜ぶことです。神に喜ばれる礼拝を捧げたいと思います。
　アモスは神の義によって揺り動かされていましたが、根底には神の愛をしっかりと受け止めていました。
　私たちが神の義を語るとき、神の愛がそれに勝るものとして裏打ちされていなければ大胆に語ることはできないでしょう。神の愛に満たされて神の義を語る。これが福音を語る者の姿でなければならないのです。

主任牧師　　石田敏則