2020年3月15日 巻頭言

初めにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。

ヨハネの福音書 1章1節

これらのことが書かれたのは、イエスが神の子キリストであることをあなたがたが信じるためであり、また、信じてイエスの名によっていのちを得るためである。

ヨハネの福音書  20章31節

 

 本日から、ヨハネの福音書に入り、4月12日のイースターに備えます。この書の執筆目的は、記者ヨハネが自ら、20章31節に記しています。第一回の本日は、1章の冒頭部分です。ヨハネは、当時の直接の伝道対象者であるエペソの人々が受けとめやすいようにイエス・キリストのことをギリシャ語で「ロゴス」(日本語訳では「ことば」)として紹介し、この部分に、イエス・キリストが神の子であるということを、主イエスの持つ特性を示すことによって強調しています。
 それは第一に、ことばであるイエス・キリストが永遠のお方、創造者であるという特性です。1節の「初めに」は、創世記1章1節の「初めに神が天と地を創造された」の「初めに」と同じことばが使われています。イエス・キリストが神であり、永遠の昔からすでに存在しておられ、すべての創造にかかわっておられたことを強調しています。さらにイエス・キリストが、神と私たちの仲介者となるために、私たちと同じ人間となり(受肉)、この地上に来てくださったことを示しています(14節)。
 さらに、イエス・キリストは、私の中に住まわれるだけでなく、「私たちの間」に、通じ合う「ことば」として住まわれたことを強調しています。「神と自分」「自分と自分」「自分と他の人」が,互いに通じ合う「ことば」として、イエス・キリストがこの地上に来てくださったという福音の真髄が記されているこの部分は、まさしく「偉大なプロローグ」なのです。

協力牧師  石田いつ子