2024年11月3日 巻頭言
「あなたがたがわたしに呼びかけ、来て、わたしに祈るなら、わたしはあなたがたに耳を傾ける。あなたがたがわたしを探し求めるとき、心を尽くしてわたしを求めるなら、わたしを見つける。」
エレミヤ書 29章12、13節
先日、息子が通う高校の保護者会に出席しました。校長の話しで心に残ったのは、子どもたちが成長して自立するために必要なことは何かということです。
2022年から日本は成人年齢が18歳になりました。今は多くの若者が高校3年生で成人です。校長は、高校教師たちが抱く不安をお話しくださいました。成人した高3生が、親の同意なしに高校を退学したり、クレジットカードを作ってローンを組めるようになったのです。悪い大人の食い物にされたり、人生の歯車を狂わせないかを心配しているわけです。
子どもたちが健全に成長し、自分で物事を判断する能力を身に着けるために必要なこと、それは子どもたち自身が様々なことにチャレンジし、小さな失敗を積み重ねながら何が正しいかを経験的に知ることだといいます。そのために、大人はそれを見守ることが求められているとも校長は仰いました。
親や大人が無関心であってはいけませんが、先回りをしてお膳立てをして手をかけすぎることは人の成長を妨げます。
信仰生活も同じです。人は時々、神様が私たちを助けてくださらないように感じることがあるものです。けれどもそれは、神が私たちを無視しているわけでなく、私たちが人生経験を積み上げて成長し自立することを見守っておられるのです。
イスラエルは神への背信という失敗をして、異国バビロンに捕らえ移されるというつらい経験をしました(バビロン捕囚)。神は、その経験をイスラエルを痛めつけるためでなく、彼らがつらい出来事から学び成長するための機会とされました。
ここで大切なことは、失敗やツラい経験から〝学ぶ〟ということです。自分を振り返ることです。出来事が人を成長させるのではなく、そこから学ぶ人が成長します。そして学ぶ時に重要なのが考え方や価値観の〝軸〟です。
神は、人が神の祝福の道を生きるために大切な人生の軸を示しました。それが冒頭のみことばです。神を求め、神と共に生きることがその人の人生の軸となる時に、神の平安を得て希望ある人生を歩む(11)と聖書は告げます。
この軸を身に着けるためには相応の時間が必要です。特に、神の民・共同体という単位で見れば、それには二代三代と受け継がれる時間が必要でした(4~7)。結果としてバビロン捕囚の期間に、会堂で礼拝することやみことばに密着した生活が確立され、それは今日に至ります。非常に重要な期間だったのです。
私たちも同じです。目先の結果に捕らわれるのではなく、次の世代に信仰を伝えるために、今私たちが何に取り組んだらよいのかを見極めて進んで参りましょう。
主任牧師 荻野 泰弘
2024年11月3日 聖日礼拝式次第
第1礼拝 9時 荻野牧師 髙橋美姉
第2礼拝 11時 吉田潔兄 榊原 姉
前 奏
招 詞 イザヤ書49章13節
会衆賛美 聖歌502 まよえるとき光を
会衆賛美 御手の中で(週報4面)
主の祈り
交 読 詩篇145篇17~21節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 エレミヤ書 29章1~14節
説 教 成長するために必要なこと
荻野泰弘牧師
聖 餐 (第2礼拝)
会衆賛美 聖歌632 なおも御恵みを
献 金
頌 栄 聖歌376 父御子御霊の
祝 祷
報告
感謝祈祷 奏楽
※第1礼拝は、礼拝後に聖餐式