2025年9月7日 巻頭言

 シオン・キリスト教会 創立九十一周年、おめでとうございます。
 シオン教会の歴史を振り返ると、大きく成長し盛んだった時期がありました。年代としてはざっくりと1950年代から1980年代というところでしょうか。当時の写真や文書資料から、非常に勢いがあったことが伺えます。以前聞いた話ですが、日本の福音派諸教会は1980年代をピークに教勢が減少しています。私が学生時代の1990年頃にユースで伝道会を行いましたが、なかなか思うような結果が出ずに悩みました。でもそれは、若い世代だけでなく教会全体の傾向でもありました。
 あれからさらに30年以上が経過し、教会の置かれた状況はますます難しくなっています。伝道しても昔のような成果が表れない時代です。けれども、私たちは福音を宣べ伝えることをあきらめてはいけません。聖書には、「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい」(Ⅱテモテ四2)とあります。受け継いだバトンをしっかりと握って取り組みたいと思います。
 ただ、やり方や意識は時代に合わせて変える必要があります。シオン創立者の岸田愛治牧師は時代の空気を察知して対応することに長けていたように思います。その姿勢は大切にしたいものです。
 冒頭のみことばを思いめぐらしたいと思います。「福音を宣べ伝えなさい」とあります。私たちは宣べ伝えています。けれども、思うように耳を傾けてもらえずに悩むのがこの時代ではないでしょか。だから今日は、ちょっと立ち止まって考えたいと思います。
 人は誰の話しを、どんな人の話しを、聞きたいと思うでしょうか?
 それは、自分の話しを聞いてくれる人です。多くの人は、自分の話しに耳を傾けてくれる人を信頼するものです。ですから、聞いてもらうためには、まずは自分が相手の話しに耳を傾けることが必要です。
 「全世界に出て行き」とあります。私たちは、人々の間に出て行くことが必要です。私たちが家族や友人と時間を過ごすことが必要です。関わりを持ち、私たちの言葉や行いや雰囲気に惹かれるとき、人は自分も教会に行ってみたいと思うのではないでしょうか。
 今、蒲田シオンはなるべく午後のスケジュールを入れないように心がけています。それは、皆さんに家族や友人との時間を過ごしていただきたいからです。

荻野 泰弘牧師

2025年9月7日 創立91周年記念礼拝 式次第

小礼拝  9時~  荻野牧師
聖日礼拝 11時~ 吉田潔兄 髙橋姉

前  奏
招  詞 イザヤ書 60章2節
会衆賛美 聖歌504 きたれ友よ
会衆賛美 御名を掲げて
主の祈り 
交  読 詩篇146篇1~10節
礼拝祈祷 
使徒信条 
聖書朗読 マルコの福音書16章14~15節
説  教 福音を宣べ伝える 荻野泰弘牧師
洗  礼
会衆賛美 聖歌547 語り告げばや
献  金
頌  栄 聖歌376 父御子御霊の
祝  祷
 創立感謝の祈りの時
 報告
 入会式
 感謝祈祷  奏楽