2021年4月11日 巻頭言
ペテロは、イエスが三度目も「あなたはわたしを愛していますか」と言われたので、心を痛めてイエスに言った。「主よ、あなたはすべてをご存じです。あなたは私があなたを愛していることを知っておられます。」イエスは彼に言われた。「わたしの羊を飼いなさい。」
マタイの福音書 21章17節
私たちは日々様々な経験をし、時に自分の人生に大きな意味を持つ重大な経験をすることがあります。それは入学や結婚、何らかの成功体験といった喜ばしいこともあれば、失敗や挫折、悲しい経験もあります。
うれしいことも悲しいことも、それをどのように受け止め、そこから何を学ぶかが大切です。特につらい出来事については、それを受け止めるために誰かの支えが必要です。苦しさの中で自分が支えられていると十分に感じられるとマイナスと思える経験も人を成長させます。
イエス様の弟子のペテロは、イエス様が十字架に架かる傍らで人生における重大な経験をしました。イエス様が十字架を目指したとき、ペテロはどこまでもついて行くと豪語しました。しかし彼はイエス様を裏切りました。ペテロは号泣するほど自分の弱さを知りました。
十字架の死から復活したイエス様はペテロに近づき食事でもてなしました。十字架が弱い人間に対する神の愛のしるしであることを示したのです。失意にあったペテロはどれほど慰められたでしょう。
イエス様はペテロに「わたしを愛しますか」と神の無限の愛を現すアガパオーという言葉を用いて問いかけました。ペテロはフィレオーという人間的な友情を現す言葉で応答しました。自分には神のような愛はないことを認めながら、人としての精一杯の愛で愛しますと応えたのです。それはペテロが自分の失敗を通して自己理解を深め、自分の限界を弁えたことの現れです。その姿をイエス様はよしとしてくださり、ペテロに福音を伝える使命を託しました。
自己理解と他者理解は通じると言われます。自分とは何者かを知る人は他者をより理解し、寄り添うことができます。イエス様は福音を証しする人にそのようであることを望んでおられます。
主任牧師 荻野泰弘
4月11日 礼拝順序
第一礼拝 9時 司会:金川姉 奏楽:荻野(し)兄
第二礼拝 11時 司会:武山兄 奏楽:榊原 姉
前 奏
招 詞 イザヤ書45章22節
会衆賛美 聖歌64
会衆賛美 イエスの血潮で
主の祈り
交 読 詩篇51篇10~17節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 ヨハネの福音書 21章15~19節
説 教 自分を知ったペテロ
荻野泰弘牧師
会衆賛美 聖歌476(1~3節)
献 金
頌 栄 聖歌376
祝 祷
報告
感謝祈祷 奏楽