2021年9月5日 巻頭言
創立87周年記念礼拝
また、群衆を見て深くあわれまれた。彼らが羊飼いのいない羊の群れのように、弱り果てて倒れていたからである。
マタイの福音書 9章36節
イエス様は群衆を見て、彼らが羊飼いのいない羊のようにさまよい、弱っていることをご覧になりました。
「深くあわれまれた」(36)という言葉は、原語のギリシャ語では「はらわたがちぎれるような痛みをもって人々を心配された」ことを現しています。罪の重荷に苦しみさまよう罪人を思う神の痛みです。これが罪人を救うために十字架にまで架かってくださったイエス様の福音伝道の動機です。
では私たちが福音を宣べ伝える動機はどこから出てくるのでしょうか。
それは痛みを伴うほどのイエス様の愛と憐れみを自分自身が体験したことによります。罪の中に沈んでいた私たちはイエス様と出会い、その深い愛と憐れみを知って救いに導かれました。それぞれの負っていたことや状況、導かれ方は様々ですが、イエス様の痛みを伴うほどの愛に触れて救われたことは同じです。この救いの恵みに感謝し感動するときに、人は主の思いを自分のものとし、罪に沈む人に福音を伝えたいと願い行動が生まれます。救いの恵みを過去のものとするのでなく、今その恵みに生かされていることを知り続けるのが大切です。そこから祈りと行動が生まれます。
イエス様は「働き手を送ってくださるように祈りなさい」(38)と仰いました。
人々が救いに導かれるには「働き手」が必要です。「働き手」からどんなことをイメージするでしょうか。牧師、伝道師、宣教師といった直接献身者も意味されますがそれだけではありません。一人の人が救いに導かれるためには多くの人の関りが必要です。信徒という立場で声を掛け、交わりをする人も大切な存在です。また、霊的な必要だけではなく、精神的なケアや生活の立て直しなど具体的な援助が必要な人には、それに応えるための働き手も必要です。教会内だけで完結できない場合は社会資源を活用する知恵を持った人も必要でしょう。
シオン創立者のエピソードを聞くと、その時代の人々の必要を捉えた働きが展開されたように思います。私たちも、今なにが必要かを主に祈り求め、この時代に御心を行うものでありたいと願います。
主任牧師 荻野 泰弘
9月5日 創立記念礼拝 礼拝順序
第1礼拝 9時 司会:穂谷 牧師 奏楽:荻野し 兄
第2礼拝 11時 司会:荻野 牧師 奏楽:美名子 姉
前 奏
招 詞 イザヤ書43章1節
会衆賛美 聖歌40(1,2節)
会衆賛美 神の国と神の義を(1回)
主の祈り
交 読 詩篇103篇13~22節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 マタイの福音書 9章35~38節
説 教 福音を伝えるために
荻野泰弘牧師
会衆賛美 聖歌384(1,2節)
献 金
頌 栄 聖歌377
祝 祷
報告
感謝祈祷 奏楽