2022年11月27日  巻頭言

「年に三度、わたしのために祭りを行わなければならない。」

出エジプト記 23章14節

「年に三度、男子はみな、あなたの主、主の前に出なければならない。」

出エジプト記 23章17節

 アドベントに入りました。救い主イエス様が私たちを罪から贖うために世に来られたことを記念する季節です。
 どんな民族、国も「暦」を持ちます。「暦」はそこに属する人々の精神性や文化を形作ります。日本もお正月になればおせちやお餅を食べたいと思う人は大勢います。おせちを夏に食べようと思う人はなかなかいないでしょう。
 教会は「教会暦」があります。これは初代教会以来の長い教会の歴史の中で形作られたものです。キリストの救いの出来事(降誕、受難、復活、昇天)は歴史の事実として起こりました。それだけに、過去の出来事として忘れてしまう危険もあります。そこで神の救いの御業を今の生活の中で周期的に体験できるようにと教会暦は形作られました。
 聖書には、主がイスラエル民族に「年に三度」の例祭を定め、救いの御業を周期的に記念するようにしたことが記されています。イスラエルが神の民として成長し、神の民の文化や精神性を形作るために暦が用いられました。1年という周期の中にそれらが織り込まれたのは、人々の実生活に信仰を根付かせるためです。信仰と実生活がかけ離れていては意味がありません。私たちの日々の生活を生かすのが救いの経験です。それを思い出させてくれる機会が暦です。
 また、暦に記されることによってそれは共同体の記念となりました。普段はそれぞれの場所で生活している人々が、一つに繋がっていることを覚える時です。今もアドベントが定められているから私たちは地域や教派を超えて世界のクリスチャンと共にイエス様の降誕を祝います。まさに信仰において一つにされているという経験です。特にクリスチャンが圧倒的に少数派な日本社会に生きる私たちにとっては大きな励ましです。普段は職場や学校、家庭で一人で信仰を守る私たちは、時に孤立し孤独になります。けれども、私たちはどんな境遇でも決して一人ではありません。同じ暦を踏んできた過去の聖徒たちも含めて、私たちはキリストにあって一つです。

主任牧師 荻野 泰弘

2022年11月27日  聖日礼拝 式次第

第1礼拝 9時  荻野牧師 
第2礼拝 11時  荻野牧師

招  詞 イザヤ書49章13節
会衆賛美 もろびとこぞりて(1~3)
賛  美 Christmas is a time to love
         (1節を2回歌う)
主の祈り
交  読 詩篇 85篇1~13節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 出エジプト記 23章14~17節
説  教 私たちを繋ぐ教会暦
           荻野泰弘牧師
会衆賛美 神の御子はこよいしも
(1、2、4節)
献  金
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報  告
後奏 感謝祈祷