2023年9月10日  巻頭言

「ここに、大麦のパン五つと、魚二匹を持っている少年がいます。でも、こんなに大勢の人々では、それが何になるでしょう。」  

ヨハネの福音書 6章9節

そうしてイエスはパンを取り、感謝の祈りをささげてから、座っている人々に分け与えられた。魚も同じようにして、彼らが望むだけを与えられた。

ヨハネの福音書 6章11節

 今日取り上げるのは、いわゆる「5千人の給食」で知られるイエス様の奇蹟です。少年のお弁当と思われる5つのパンと2匹の魚をイエス様は用いて、男性だけで5千人、女性や子どもたちを合わせれば倍以上の人数になったでしょう。それだけの人たちの空腹を満たしたという奇蹟です。
 これは4つの福音書のすべてに記されている数少ない奇蹟の一つです。一方で、他の3つの福音書(いわゆる共観福音書)には書かれていないことがヨハネの福音書では明らかにされています。
 余談ですが、福音書のように同じ出来事が別々の書に記されている場合、それらを比較することで全体像が明らかになると共に、その違いに注目することで新たな気づきが生まれます。特に福音書はそれぞれの書によって伝えたい事柄(テーマ)が変わるので、そこに注目して読むとみことばの味わいが深まります。それはさておき…。
 5千人の給食の奇蹟でヨハネだけが書いている事は、パンと魚を提供したのは「少年」だったということです(9)。
 弟子のアンデレは、自分で少年をイエス様のもとに連れてきたにも関わらず「でも、こんなに大勢の人々では、それが何になるでしょう」とあきらめています。それでもイエス様のもとに連れてくるのが彼のいいところかもしれません。
 少年を見たイエス様の反応は違いました。人の目には小さくて役に立たないと映った、たった5つのパンと2匹の魚を感謝して受け取り、それによって神の栄光を現わされました。
 私たちの日常には様々な課題があり、自分の力の限界を感じることがあります。イエス様は私たちの身の回りにある小さなものを動かして人を助け、ご自身の栄光を現わされます。神が用いられる小さなものとは、時に私たち自身でもあるのです。

 主任牧師 荻野 泰弘

2023年9月10日 聖日礼拝式次第

第1礼拝と第2礼拝で賛美順序が異なります

聖日礼拝(プレイズサンデー)
第1礼拝 9時 荻野と兄 荻野し兄
第2礼拝 11時 荻野牧師 榊原姉

招  詞 イザヤ書49章13節
会衆賛美 聖歌40
 【第1礼拝】会衆賛美 御手の中で
主の祈り(口語訳)
交  読 詩篇8篇1~9節
礼拝祈祷
使徒信条(口語訳)
 【第2礼拝】会衆賛美 真昼のように
 【第2礼拝】会衆賛美 御手の中で
聖書朗読 ヨハネの福音書 6章1~15節
説  教 少年の小さなお弁当
           荻野泰弘牧師
会衆賛美 聖歌516
献  金
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報告
  後奏 感謝祈祷