2023年9月24日  巻頭言

召天者記念礼拝

あなたがたは心を騒がせてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。わたしの父の家には住む所がたくさんあります。そうでなかったら、あなたがたのために場所を用意しに行く、と言ったでしょうか。わたしが行って、あなたがたに場所を用意したら、また来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます。わたしがいるところに、あなたがたもいるようにするためです。

ヨハネの福音書14章1~3節

 シオン教会創立者、岸田愛治牧師は非常にユニークで、いつも人と違うことをして驚かせたと伝え聞きます。今風に言えば、人の考えの斜め上を行く、というところでしょう。様々なエピソードが語り継がれますが、ご自身の葬儀についても語り草。
 式の途中で流された録音は、愛治牧師が自身の葬儀のために自分で用意した説教でした。「皆さんがこの録音を聞くときには、私はこの世にはいません」といつもの調子で聞こえてくる。現代では、ビデオだスマホだと録音どころか録画が手軽にできるから決して珍しいことではないでしょう。けれども創立者が召されたのは1976年(昭和51年)。まだまだ録音機器が家庭にあることが珍しかった時代のこと。最後まで人を驚かせたのです。
 このエピソードを改めて考えると、愛治牧師の振る舞いは今で言う〝終活〟です。自らの地上の生涯の締め括りを見据えた備えです。遺言は昔からありますが、〝終活〟が社会で言われたのは2009年のこと。「信徒のみならず、すべての人もこれくらいの心ぞなえが必要」と語った愛治牧師。どれだけ時代を先取りしたのかと驚かされます。
 愛治牧師の行動の源泉はなんでしょうか。〝死〟を受け入れ、天を見上げていたことです。これはクリスチャンの特権です。キリストを信じる者には死は終わりではありません。聖書は告げます。天には私たちのために住まいが備えられている、と。ですから、死んだらどこへ行くのかと不安になる必要はありません。そしてそれは残された者にとっても大きな慰めです。愛する者がどこへいったのかと捜さなくてよいからです。
 「私たちの国籍は天にあります」
 なんと大きな慰めでしょうか。
先に天に召された先輩たちの後ろ姿に見ならいましょう。

 主任牧師 荻野 泰弘

2023年9月24日 召天者記念礼拝式次第

第1礼拝 9時  荻野牧師 荻野し兄
第2礼拝 11時 武山兄  髙橋美姉

前  奏
招  詞 イザヤ書49章13節
会衆賛美 196
会衆賛美 鹿のように(2回)
主の祈り
交  読 詩篇23篇1~6節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 ヨハネの福音書 14章1~7節
説  教 備えられた住まい
            荻野泰弘牧師
会衆賛美 聖歌694
献  金 
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報告
  感謝祈祷  奏楽