2020年5月3日 巻頭言

それゆえ、私は言う。「私は待ち望む。主の恵みを」

哀歌 3章21,22節

 新型コロナウイルスが蔓延し多くの人の日常失われました。当たり前だと思っていた、学校へ行く、会社へ行く、買い物に行く、そして教会に行くということが妨げられています。科学技術が発達した現代ですが、ウイルスという人の肉眼では見ることができない小さなものに私たちは振り回され、恐れを抱いています。
 そのような私たちに、哀歌3章は慰めと励ましを与えます。
 ユダはバビロンに滅ぼされ、イスラエル人の象徴であったエルサレムは破壊されました。1章から3章には自分たちが置かれている状況への深い悲しみと嘆き、また出口が見えない苦しみが述べられています。彼らは自分の力、人間の力では望みを見出すことができないどん底にいたのです。
 しかし、その状況で告白するのです。
「それゆえ、私は言う。『私は待ち望む。主の恵みを。』」
 人間的には自分たちの状態に何も希望を見出せません。自分にも、他の人にも救いを期待できない状況です。
 だからこそ、主に信頼し、主に期待し、主を待ち望むのだ、というのです。
 これこそが私たちキリスト者に与えられた希望です。自分はもう駄目だと思うところから自分を立ち上がらせるのは主なる神です。自分の頑張りではないというのです。私たちは時に苦しみを通りますが、実は、主はそこに助けと支えを与えておられます(31~33)。主に全面的に信頼する人には、困難と思える状況でも尽きることなく注がれている主の恵みと憐れみが見えてくるのです。そのような人を通して主の回復の御業は世に現されます。
 私たちは、ただ、家に閉じこもるしかできない状況に無力を感じます。しかし、だからこそ主にのみ期待し、主が私たちに恵みを注いでおられることを信じて、恵みを受け取りましょう。

担任牧師  荻野泰弘

5月3日 礼拝順序

前  奏
招  詞 マタイ11章28節
「すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。
わたしがあなたがたを休ませてあげます。」アーメン
 
会衆賛美 聖歌40
会衆賛美 大いなる方に
主の祈り
交  読 詩篇 27篇1~6節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 哀歌 3章19~33節
説  教 それゆえ主を待ち望む
           荻野泰弘牧師
とりなしの祈り
会衆賛美 聖歌36
献  金
頌  栄 聖歌376
祝  祷
感謝祈祷  奏楽