2020年6月28日 巻頭言

信仰の創始者であり完成者であるイエスから、目を離さないでいなさい。この方は、ご自分の前に置かれた喜びのために、辱めをものともせずに十字架を忍び、神の御座の右に着座されたのです。」

へブル人への手紙12章2節

 来週は召天者記念礼拝です。毎年行う記念の時ですが、個人的には今年は格別な思いでこの日を迎えようとしています。愛する者と地上での別離を経験することは大きな悲しみです。その痛みは、信仰を大きく揺さぶります。
 イエス様を救い主と信じた私たちですが、信仰生活で経験する多くの苦しみが私たちの信仰を振るいます。主よ、助けてください、と叫ぶ一方で、主はどうして私を苦しめるのか、という疑問が頭をもたげます。苦しみは私たちの目を主から逸らし、イエス様と共に生きる喜びやイエス様が私たちに注いでくださっている恵み、イエス様によって与えられている希望を見失わせます。時には、主に拠り頼むよりも、この世のものが頼り甲斐があるように見えてしまうのです。へブル人への手紙を受け取った当時の人々も、苦しみを通る中でキリスト者であることの喜びを見失って、信仰から離れていく人が少なくありませんでした。
 そのような人々に作者は語ります。「イエスから、目を離さない」ように、と。
 イエス様は私たちのためにご自身をささげてくださいました。神である御方が人の世を歩み、私たちを救うために十字架を負ってくださったのです。そのイエス様の姿に目を向け、そこに示された愛と憐れみ、恵みを忘れないようにというのです。
 そのためには忍耐が必要です。私たちの信仰を妨げるものを退けるには忍耐深く戦う必要があります。そのことについてもイエス様を見続けることが大切です。イエス様ご自身が「十字架を忍び」(2)、世の人々の「反抗を耐え忍ばれた」(3)からです。
 そうは言っても、私たちは弱い者で、イエス様のようにはなれません。しかし、イエス様が弱い私たちを助けて、苦しみを乗り越える力を与えてくださると聖書は示しています(10章34節)。
 苦しみの多いこの世ですが、私たちのためにこの世の苦しみを通り、勝利を得た主から目を離さずに進みましょう。

担任牧師  荻野泰弘

6月28日 礼拝順序

前  奏
招  詞 ハバクク書 2章20節
「主は、その聖なる宮におられる。全地よ、主の御前に静まれ。」
アーメン
 
会衆賛美 聖歌64
会衆賛美 御手の中で
主の祈り
交  読 詩篇46篇1~11節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 へブル人への手紙
12章1~3節
説  教 私たちが見るところ
           荻野泰弘牧師
会衆賛美 聖歌633
献  金
頌  栄 聖歌376
祝  祷
感謝祈祷  奏楽