2019年2月3日 巻頭言
「私の上に翻る、あの方の旗じるしは愛でした。」
雅歌 2章4節
「雅歌」の原題は「歌の歌」(シール・ハッシーリーム)という言葉です。これは、最高の歌という意味です。なぜ、聖書に男女の間の愛がリアルに、そして非常に美しく描かれ、歌われているのでしょう。伝統的には、ここに登場する男女はキリストと教会の関係を描写していると解釈しています。
キリストの愛とクリスチャンの応答のあり方、本当の愛とは何かを問う書物として扱われてきました。
この男性が女性にあらわした態度、それは彼女に対する愛でした。これは、神が キリストの十字架と復活によって、私たちへの「愛」という旗じるしをはっきりと掲げ、私たちを大切にし、愛するという宣言なのです。
彼女は愛されることを望みつつも、自分が彼を本当に愛するとはどういうことだろうかと悩んでいます。「愛」とは何でしょう。単に好きだという感情ではなく、条件つきのものでもありません。「愛」とは、主体的で自発的な応答です。相手を愛するという自分の責任を伴う応答こそ本当の愛なのです。この自発性、しかも他者のための自発性こそ、本当の愛の本質です。この愛は、私たちが神を愛し、神に仕えていくあり方を指し示しています。
しかし、私たちの自発的な愛は、時に気まぐれであり、長続きしないものであることを知っています。キリストの私たちへの自発的な愛が私たちの心に強く迫る時、キリストのために生きるという応答が私たちのうちに引き起こされるのです。聖霊なる神様がキリストの愛を強く私たちの心に迫らせてくださいます。
今週も、私たちは自発的にキリストを愛してキリストに仕え、キリストに従い、家族や友人、知人、隣人、教会の人々を愛し仕えるものでありたいと願います
石田敏則 牧師