2019年4月27日 巻頭言
「彼らはいつも、使徒たちの教えを守り、交わりを持ち、パンを裂き、祈りをしていた。」
使徒の働き 2章42節
使徒の働きには、教会が誕生した様子や、教会が福音を宣べ伝えたことなどが記されています。
ペテロやパウロといった個人に目が向きがちですが、彼らは教会に繋がり、教会が彼らを派遣しました。彼らの働きによって多くの人々が救われ、教会が世界のあちらこちらに築かれました。教会が教会を生み出したことを忘れてはなりません。
ある人々は、「私はイエス様を信じるけれども教会には通いません。一人で聖書を読み信仰を守ります。」と言います。
教会は人間の集まりですから不完全です。人と人とのぶつかりあいや誤解など様々な問題を抱えます。そんなことを思えば、教会につながることが面倒くさくなったり、負担を感じてしまうのは分かります。しかし、主の御心は私たちが神の民の共同体である教会につながることです。
五旬節の日、聖霊は弟子たちが「集まっているところ」に降りました(2章1~4節)。主と共に歩むためには教会につながることが必要で、それなしに信仰を守ることは難しいのです。むしろ、教会は様々な困難に遭遇する信仰者が支え合う場所です。
2章の終わりには生まれたばかりの教会の姿が記されています。44節と45節には人々が支え合う姿が見られます。支え合うということは、自分が弱っているときには弱さを告白し支えてもらえます。逆に自分に力があるときは弱っている人を支えます。支えるだけ、支えられるだけ、ではないのです。
そんな彼らの中心にいたのは十字架のイエス様です。礼拝と聖餐を示す「パンを裂き」という言葉が2回繰り返されます(42節、46節)。彼らはいつも十字架の主を仰いでいました。主がまず私を顧みてくださった、ということが理解されていたからこそ支え合うことが実践できたのです。
担任牧師 荻野泰弘