2019年5月12日 巻頭言

「あなたの父と母を敬え。これは約束を伴う第一の戒めです。」

エペソ人への手紙 6章2節

 今日は「母の日」です。「母の日」は教会から始まった行事で、制定から今年が 一〇五年です。今では世界中で祝われています。今日は、『あなたの父と母を敬え』というこの言葉の意味を考えてみたいと思います。
 皆さんも、お母さんがあんな事をしてくれた、こんな事をしてくれた、という思い出があるのではないでしょうか。そういう人にとっては、『あなたの父と母を敬え』という言葉は受け止めることはたやすいと思います。けれども、そういう親ばかりではないのです。 最近、その反対の親が社会をにぎわしている様子を見聞きします。親から虐待やひどい仕打ちを受け続けた子どもにとっては、親との関係はどう受け取れば良いのでしょう。
 聖書には『それはあなたがしあわせになるためである』と書いてあります。
 この世に生まれて始めての人間関係が親子関係です。そこで良い関係が持てなければ、どうして他の人達と良い関係を築くことが出来るでしょう。虐待等があるなら、健全な人間関係を築くことは難しいでしょう。
 しかし、私たちが本当の幸せを得るためには、まず私たち自身が、本当の意味で愛されていることを体験することです。聖書は、主イエスの愛を知ることによって、心から人を敬い愛することができると教えています。子どもたちにとって、権威を持ち、尊敬されるべき一番身近な存在は両親です。その両親は神様から与えられた存在なのです。また子どもは、神様からあなたに託された存在なのです。
 このような難しい時代の中で揺るがない確信をもって子育てにあたれるとしたらそれはすばらしいことだと思います。その姿に触れる時、子どもたちは本当の意味で父と母を敬えるのです。神の約束と祝福を信じて歩み出してください。

主任牧師 石田敏則