2019年6月23日 巻頭言

「こうして、私たちは信仰によって義と認められたので、私たちの主イエス・キリストによって、神との平和を持っています。」

ローマ人への手紙 5章1節

 ローマ人への手紙5章には、神さまと私たちの関係が書かれています。その関係とは平和(シャローム)です。平和とは、単に争いがないというだけではなく、そこに和解があり、赦しと回復と救いがあり、互いに対する信頼と親愛のある状態です。
 聖書は、イエスさまを信じる前の私たちは、神さまに敵対する者であり、神さまと私たちとの間に平和はなかったことを教えています。私たちは御怒りのゆえに滅ぼされても仕方のない存在でした。私たちは神さまに造られたにもかかわらず、神さまを無視し、自分を自らの神として己の欲望に従って生きていたからです。
 ところが神さまは、私たち人間をあわれまれ、その大いなるご愛のゆえに、私たちに救いの道を与えてくださいました。それは、イエスさまの十字架の救いです。もしイエスさまを救い主として信じるのなら、イエスさまの贖いによって、私たちの罪は赦され、新しいいのちを生きる者に変えられ、また神さまの子どもとしての特権を与えられて神の国をイエスさまと共に相続すると約束されておます。
 この救い=平和を与えられた私たちには、3つの喜びがあるとローマ人への手紙を書いた使徒パウロは指摘します。一つは、神さまの栄光にあずかる望みを喜ぶこと、二つ目は、現世における苦難さえも喜ぶこと、そして三つ目に父なる神さまご自身を喜ぶことです。イエス・キリストにある希望が失望に終わることはありません。希望は、ご聖霊によって注がれる神さまの愛によって支えられており、この希望は私たちの主、イエスさまそのものだからです。

茅ヶ崎教会 主任牧師  岸田 悟