2022年6月12日  巻頭言

ラケルは自分がヤコブに子を産んでいないのを見た。ラケルは姉に嫉妬し、ヤコブに言った。「私に子どもを下さい。でなければ、私は死にます。」

創世記 30章1節

 司馬遼太郎氏の著書「アメリカ素描」という本の中に、ロサンゼルス市警アジア特捜隊についてのインタビュー記事が掲載されていました。
 当時の特捜隊隊長の日系人ジミー佐古田氏に色々な話しを司馬氏が伺っていたのですが、佐古田氏はポツンと次のように述べました。「アジア特捜隊は他の部署より給料がいい…。」それを聞いた司馬氏は、それだけ危険な任務を遂行しているからと思いましたが、佐古田氏は「それは犯罪組織から賄賂を受け取らないためです。」という意外な理由が述べられていました。いくら誇り高く職務を全うしようとしても、人間は弱い。いつ心の隙に誘惑の魔がさすかも知れない・・その予防として高給に設定しているとのことでした。
 聖書、ことに旧約聖書は赤裸々に人間を描いています。ヤコブはレアとラケルの姉妹ふたりを妻にしていました。レアは子供を産みますが、ラケルには子供が与えられなかっのです。ラケルは姉レアより美貌をもっていて、夫ヤコブの愛情を勝ち取っていました。でも、レアが次々に子供が与えられたのに、自分には子がない・・。それが焦りと嫉妬となり、夫への不満となって感情が爆発したのでした。
 妬むことは悪いと思っても、人間は弱く、それを打ち消すことはなかなか出来ないこ
とだと思います。これは神様から愛情と平安を頂かないと解決できない問題です。
 ラケルのとった解決策は女奴隷ビルハを通して代理出産させるという事でした。
そして2人の子が生まれました。ひとりは「裁く(ディン)」からダンと名付けました。もうひとりは「争う・レスリング(ニフタル)」からナフタリと名付けました。彼らはのちにダン族、ナフタリ族と呼ばれます。
 ラケルは自分が産めないから、自分の奴隷に産ませました。 ある意味ではこれは悲しい物語です。でも、そのただ中に主なる神様は働かれ、後に神の働きをする人物を起こされたのでした。

担任牧師 穂谷 弘二

2022年6月12日  聖日礼拝式次第

第1礼拝 9時 荻野牧師 荻野し兄
第2礼拝 11時 荻野牧師 髙橋美姉

前  奏
招  詞 イザヤ書49章13節
会衆賛美 聖歌33
会衆賛美 神の国と神の義を(2回)
主の祈り
交  読 詩篇19篇1~14節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 創世記30章1~8節
説  教 ラケルの嫉妬
            穂谷弘二 牧師
会衆賛美 聖歌628
献  金 
頌  栄 聖歌376
祝  祷
報告
感謝祈祷  奏楽