2023年4月2日 巻頭言
パームサンデー聖日礼拝
すると非常に多くの群衆が、自分たちの上着を道に敷いた。また、木の枝を切って道に敷く者たちもいた。群衆は、イエスの前を行く者たちも後に続く者たちも、こう言って叫んだ。「ホサナ、ダビデの子に。祝福あれ、主の御名によって来られる方に。ホサナ、いと高き所に。
マタイの福音書 21章8,9節
イエス様がエルサレムに入ったとき、群衆が歓声をあげて迎えました。しかし、わずか数日後に、この歓声は呪いの言葉に変わります。群衆はイエス様に対して「十字架につけろ」(二七22)と叫びました。
まさに手のひら返しです。
人々が期待したのは、イエス様がイスラエルを率いて支配者ローマ帝国に立ち向かうことでした。けれども、イエス様が示した姿は彼らの望みとは異なりました。
人は自分の期待通りにならないと手のひらを返して相手を批判します。聖書に見る群衆の姿は、人の心がいかに移ろいやすいかを示しています。
この世はまさに移ろいます。それが人間であり私たちが生きる世界です。聖書ではこの世の象徴は湖や海です。波は常に変化し不安定だからです。けれども、近世以来科学が発達して人間が自然に抗う力を持ち始めると、いつしか人は移ろう世界を安定して治められると過信します。ですから、歳を重ねて衰えることを受け入れがたく思ったり、思う通りに事が進まないと憤って強いストレスを感じるのです。変化が受け入れられないのです。
イエス様はそうではありませんでした。群衆が手のひらを返すことをイエス様は予見していたでしょう。しかし、群衆の声に流されず、それを否定するでもなく、ありのままを受け入れます。群衆が手のひらを返したときにも、静かに苦難を受け入れ茨の道を忍耐深く進みました。世の移ろいに翻弄され、御自身が傷つきボロボロになりました。しかし、人間の罪を背負うという使命は揺るぐことなく果たされました。
人の心は移ろうがゆえに、今は否定しても回心へと導かれることもあります。十字架のイエス様を見張っていた百人隊長たちは信仰告白しました(二七54)。変わることを恐れてはいけません。変わらない御方が、私たちをどのように変えようとしているのかを受け止めたいものです。
主任牧師 荻野泰弘
2023年4月2日 聖日礼拝 式次第
第1礼拝 9時 荻野牧師 荻野し兄
第2礼拝 11時 菊地兄 美名子姉
招 詞 イザヤ書43章19節
会衆賛美 聖歌111
会衆賛美 イエスの血潮で(1回)
主の祈り
交 読 詩篇22篇1~11節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 マタイの福音書 21章1~11節
説 教 群衆とイエス様
荻野泰弘牧師
聖 餐 式(第1礼拝は礼拝後実施)
会衆賛美 聖歌552
献 金
頌 栄 聖歌377
祝 祷
報 告
・小学1年生紹介
・教会学校教師任命式
・各会会長紹介
後 奏 感謝祈祷