2019年3月17日 巻頭言

「幸いなことよ全き道を行く人々主のみおしえに歩む人々。 幸いなことよ主のさとしを守り心を尽くして主を求める人々。

詩篇119篇 1節,2節

 詩篇119篇は詩篇の中で最も長い詩で、8節ずつ、22の区分から成っています。この詩篇には、神のみこころ(律法)を尋ね求める心が溢れ、そこに人生を楽しむ秘訣が記されています。私たちには二通りの生き方にはあります。一つは、「したいことをする」生き方です。そして、もう一つは、「しなければならないことをする」生き方です。
「したいことをする」生き方は、人に言われてするのではないのですから、自由があり、自発性があります。そして当然のことながら意欲が現れ、その意欲は創造性を生み出します。
 一方「しなければならない」生き方・・・例えば、「食べていくためには働かなければならない」という生き方は、当然、そこには義務が生じてきます。
 この二つは、本来、結びつきません。もし、幸せな人生を考えるなら、「しなければならないこと」が、次第に、「したいこと」に変わっていかなければ、幸いな人生とはならないでしょう。
 詩篇の記者は、律法を求める生き方が、自由に歩むことと結びついていると教えています。二つの生き方を結びつけるもの、それは苦難の経験です。
 詩人は幸せか不幸か苦しんだのです。苦しむことは不幸なことです。しかし、「苦しみにあったことが幸せだった。」というのです。苦しみの体験を、神の言葉との結びつきとし受け取ることによって、本当の幸いを見出すことが出来たのです。苦しむことによって神の恵みを知り、迷いを吹っ切るということもありうるのです。

主任牧師 石田敏則