2020年4月5日 巻頭言

「ホサナ。祝福あれ、主の御名によって来られる方に。イスラエルの王に。」

ヨハネの福音書 12章 13節

 この箇所は、イエス・キリストがエルサレムへ入城される場面です。ここから主の御受難の週が始まります。過越しの祭りをひかえ、エルサレムの町は巡礼のために集まってきた人でごった返していました。イエス・キリストがエルサレムに来られると知って、人々は待ち望んだメシア(救い主)、イスラエルの王が来られるのだと喜び、ホサナと叫びつつ、上着を敷いたり、なつめ椰子の枝を敷いて救い主の入城を喜び迎えました。
 福音書の記者は、このエルサレム入城を詩篇118篇の預言の成就であると記しています。また、「ロバの子に乗られる」とは、ゼカリヤの預言の成就であり、イエス・キリストがこの世の力や権威によって支配する王ではなく、平和の王としてこられた方であることを表しています。武器を持たず、兵も伴わず、漁師たちや女性たち、貧しい人たち、罪びとたちを伴っての行進、それは平和の王としての象徴だったのです。
 イスラエルの民衆は一時的でしたがイエスを受け入れて彼のエルサレム入城を喜びました。しかし、その4日後にはイエスを捕らえ「十字架に付けろ」と叫び、十字架刑に処してイエスを葬ってしまったのです。この人々の態度に権力や群衆の意見に流されて生きてしまう人間の愚かさを見ます。
 私たちには、神の平和(平安)が与えられています。その平和は災害や現在起こっている危機的状況においても奪い去られない平和です。なぜならイエス・キリストは平和の王だからです。そして私たちも心から「ホサナ、祝福あれ、主の名によって来られる方に」と主に叫ぶことが出来ます。それはクリスチャン一人ひとりが主イエスの御声を聞き、賛美にあふれるときに実現されます。受難週の第一日にあたり、主の御苦しみを覚え、キリストと共に一週間を歩み出しましょう。

主任牧師  石田敏則

4月5日 パームサンデー礼拝順序

司会 荻野泰弘  奏楽 荻野し兄

前  奏
招  詞 イザヤ書45章22節
   「地の果てのすべての者よ。わたしを仰ぎ見て救われよ。わたしが神だ。ほかにはいない。」アーメン
会衆賛美 聖歌498
会衆賛美 鹿のように(4面記載)
主の祈り
交  読 詩篇47篇1~9節
礼拝祈祷
使徒信条
聖書朗読 ヨハネの福音書
12章12~19節
説  教 平和の王として
           石田敏則牧師
会衆賛美 聖歌118
献  金
頌  栄 聖歌376
祝  祷
感謝祈祷  奏楽