2019年4月14日 巻頭言
「主がお入り用なのです」
ルカの福音書 19章31節
二千年前、主イエスはエルサレムに上って行かれました。この時は、過ぎ越しの祭りの最中で、ユダヤ人の掟では成人男子はすべて参加するように定められていました。そこで、イエスは子ろばに乗ってエルサレムにお入りになりました。大勢の人々の中に、ろばに乗った一団が現れたのです。エルサレムの人々は、奇異な目でイエスと弟子たちを見たかも知れません。
不思議に思うことは、イエスはなぜ、普通にエルサレムに入るのではなく、子ろばに乗って入場したのでしょう。
それは主イエスが神のご計画に従ったことによって起こった出来事でした。旧約聖書のゼカリヤ書9章に記されている神のご計画に従って、子ろばに乗ってエルサレムに入場するという平和の君としての象徴的なパフォーマンスだったのです。そして、この神の平和の計画を実現成就するために、弟子たちもまた必要とされ、イエスによって用いられたのです。
弟子たちの中から二人が選ばれて使いに出されます。子ろばを借りてイエスのもとに引いて来るという役割です。弟子たちにしてみれば、イエスの言葉を聞きながら不思議に思い、不安を感じたかも知れません。けれども、従ってみたのです。そうしたら、その言葉の通りになったのです。弟子たちはイエスの言葉に従って生きることの確かさを体験し、イエスとその言葉に対する信頼を強めたでしょう。
「主がお入り用なのです」との言葉で 直接に必要とされたのは子ろばですが、主イエスが神のご計画の実現に必要としているのは、子ろば以上に弟子たち一人ひとりだったのです。
私たちは、現代の弟子として、聖書から主イエスの言葉を聞き、聖書の言葉に従って生きることで、神のお入り用に応え、神のご計画を実現できるのです。
主任牧師 石田敏則