2019年8月4日 巻頭言

「あなたがたの間で良い働きを始められた方は、キリスト・イエスの日が来るまでにそれを完成させてくださると、私は確信しています。」

ピリピ人への手紙 1章6節

 ピリピ教会はパウロの第二次伝道旅行で始まりました。小アジアでの伝道が難しい中、パウロは「マケドニアにいる私たちを助けてください。」との幻を見ます。そうして始まったのが、ピリピでの伝道でした。
 パウロは教会のことを思う度に、祈る度に喜び、人々が教会の働きを担ってくれていることを感謝しています。もちろん人間的な繋がりもあったでしょう。しかし、パウロは過去のことだけではなく、これから先のことを見据えて感謝しているのです。
 それは紛れもなく、「救い」の働きです。私たちは「救い」にあずかり、「神の作品」として生まれ変わり、「良い働き」を行うために、神は私たちに力を与え、その道を示してくださっているのです。
そうして始まった良い働きを神ご自身が完成させてくださるのです。完成ということばの原語は目標と言う意味です。神は、私たちに対する、しっかりとした目標を持っておられるのです。私たちが自分を変えるのではなく、「神が完成してくださる」私たちの人生をそこへと導いてくださるのです。
 パウロはこれまでの体験に基づいて、神がピリピの教会に与えられた様々な試練、それを乗り越える力、その成長の道筋、それは、「神は必ず完成してくださる」との確信でした。
 そのために必要なことは完成に至るまで忍耐する力です。それがなければ、工事は完成に至ることはないのです。そして、もう一つ必要なのは、やがて完成へと導いてくださることを「期待する」ワクワク感ではないでしょうか。

主任牧師  石田敏則